Origin Regression

Single battle

テラスタル最悪のゲーム

S20に使用した構築と、SVの総括記事です。

 

 

コンセプト

・パワーの高いメジャー構築に対して、選出択及びテラスタルの嚙み合いを解消する

・対応範囲を最大限広げ、無理な構築を作らない

構築経緯

レギュレーションGにおいて最も安定した対処の難しい構築は、上からの攻めの補完に優れている「コライドン+ハバタクカミ」「ミライドン+パオジアン」の2つであると考えていた。これらを使うか対策側に回るかの2択であったが、情報公開によりミラーをはじめとする嚙み合いの解消は困難であると思ったので、対策する側に回ることにした。

構築の軸を担う禁止伝説には、絶対的なパワーが最大である「コライドンの裏のグライオン+ヘイラッシャ+アカツキガチグマ(orパオジアン)」で歪むことがなく殴れる性能が求められたので、拘らない特殊を前提に考えることにした。

(拘ると守る+無効切りの相手が難しく、物理アタッカーではヘイラッシャの破壊と殴りの両立が難しい)

その前提で考えたときに

水テラスタル黒バドレックス

①コライドン+ハバタクカミ及びミライドン+パオジアンに対して、1ターンの起点で上から縛りを行える性能がある

②水テラスタルによりコライドンの相手をしやすい上、水テラスタルの最も大きな裏目であるミライドンに対しても、上手く展開すれば上から縛ることが出来る

③水テラスタルが、受け攻め両面から見ても黒バドレックスのテラスタルの嚙み合いを拒否出来る見えない強い手段になる

の3点から、最適だと思ったので、軸に決定した。

展開構築では、上からの一貫した行動が嚙み合いを解消する強い手段となるため、黒バドレックスとの攻めの補完が良く、安定した展開を行うことが出来るエナジーハバタクカミを採用。

始動要員は、ハバタクカミと合わせて黒バドレックスが対面不利なミライドンに対して強い一貫切りを行える地面枠の中でも

「テラスタルを切らずに動かすことが出来るようにすることで、パオジアンにも極端に弱くない選出画面を含めたじゃんけんを行える」

「挑発リレーを行うことが出来る」

ことを評価して、襷霊獣ランドロスを採用。

黒バドレックスをエースとしたときの問題は

アローラベトベトン、アラブルタケ、天然悪テラスドオーなどの完全対策に抵抗するのが難しい

②展開黒バドレックスのメタであるオーロンゲ、メタモンへの相手は簡単ではない

③瞑想テラパゴスに対して、どちらかが先に展開出来るかどうかのじゃんけんになりやすく、そのじゃんけんが禁止伝説の相性的に絶対的に不利寄りである

の3点だと思ったので、これらに対して

①起点にして、超速超火力で裏まで貫ける

②仕様上メタモンに強く、身代わりを採用することでハバタクカミと合わせてオーロンゲにもかなりの有利を取れる

③テラパゴスの周りも含めて、種族値と特性でステルスロック込みの上からの破壊を行いやすい

ことから、とても相性が良いと思い、剣舞草分け炎オーガポンを採用。

残りの2体の要素としては

①毒びし+ルギア、受けループのような低速の並びへの抵抗力

②高速移動とブーストエナジーへのメタであるトリックルーム(主に、白バド)への選出

③確率引っ掛けをしてくるパオジアンに対して、選出画面で圧力をかける

④来たら嬉しくはない、キョジオーンが出しやすくはならない

⑤スカーフ黒バドレックスを初手から出せない理由を作る

の5つが欲しかったので、上手く満たせることが出来ると思い、鉢巻パオジアン悪巧みサイコショックサーフゴーを採用。

構築が完成。

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個体紹介

黒バドレックス@オボンの実 人馬一体

テラスタイプ:水

控えめ204(228)-81(個体値0)-126(204)-210(44)-121(4)-174(28)

 

アストラルビット テラバースト 瞑想 高速移動

 

H-4n(カタストロフィ意識)

HB-水テラスタル時、特化コライドンの炎テラスフレアドライブ94.5%で2耐え

C-抜群ステルスロック+C+2アストラルビットで207(252)-121(4)チョッキコライドン確定

ステルスロック2回+C+1アストラルビットで207(252)-136(4)ミライドン確定

ステルスロック2回+C+3アストラルビットで207(252)-150(116)チョッキミライドン確定

ステルスロック+ハバタクカミのムーンフォース+C+3アストラルビットで207(252)-160チョッキカイオーガ確定

ステルスロック+C+1抜群テラバースト×2で230-132(252)チョッキディンルー確定

抜群テラバーストで無振りイーユイ確定

S-麻痺状態S+4で、すいすい準速イダイトウを抜ける

最速テツノワダチ、準速オオニューラより早く、ミライドンコライドンザシアン黒バドレックスのSを落とした調整をある程度抜けそうなライン

 

単体最強の禁止伝説。

瞑想と黒の嘶きで火力を高め、高速移動でのS上昇で古代活性やスカーフを超える素早さで殴りを行うことが出来る。他の積み技を持つ禁止伝説のと比較して、アストラルビットの存在でテラスタル択を回避しやすいことと、S種族値が高く努力値の振り方の自由度が高いこと、黒の嘶きで積みの必要回数を減らすことが出来るのが強み。

このような型は、先制技や突撃チョッキに対しても、ステルスロック+積みの展開を構築に組み込むことで、選出を歪めることなく対処することが出来るため、再現性の高い試合を行いやすいと考えていた。

今回はその上で、従来では存在しなかった「水テラスタル×テラバースト」で採用した。

これにより

①ガチグマ・ディンルー・イーユイ・グライオンを始めとする対策枠への高打点になる

②相手からの考慮外の打点であるため、アストラルビット無効を利用したテラスタル択を拒否しやすい(フェアリー・草ではノーマルテラスハッサムにじゃんけんになることがあるが、水テラバーストはテラス前後に一貫する)

③水テラスタルが耐性テラスタルとして強い(巨獣斬や炎テラスタルフレアドライブへの切り返し、バレットパンチアクアジェット及び氷の礫への先制技耐性)

と、受け攻め両方の観点からこちら視点のみの強い択を取る事が出来る最強の型であった。

水テラバーストには無い、草テラスギガドレインやフェアリーテラスドレインキッスの回復しながらの殴りは確かに強いが、最大値の高すぎる戦い方は、裏を返せば相手はケアしたくなるため、基本的に嚙み合いになりやすい傾向がある(今回なら鋼・炎・毒のゴースト半減以下のテラスタルや、先制技での縛り)。自分のポケモンで安定して勝つために重要視している考え方に一つとして、「わがままな考え方をせず、相手の気持ちを理解した強い択を取る」というものがあるが、今回もこれを適応させている。

また、一般枠に対しては展開が無くとも十分な対面性能があるため、火力や素早さの低い禁止伝説に対しては、単なる対面駒として扱うことも出来る。

一方通行の展開構築は、「エースが通るか、通らないか」のような嚙み合いになりやすいが、このような柔軟な戦い方が出来るのは、この黒バドレックスの環境に対する瞬間火力の高さ故の強みである。

ハバタクカミ@ブーストエナジー 古代活性

テラスタイプ:ノーマル

臆病159(228)-54(個体値0)-107(252)-155-155-174(28)

 

ムーンフォース 甘える 挑発 置き土産

 

HB-特化コライドンの炎テラスニトロチャージ確定耐え(〜154)

陽気テツノワダチのアイアンヘッド14/16耐え

無振りディンルーの地震92.2%で2耐え

HD-臆病ルナアーラシャドーレイ14/16耐え

S-雨準速イダイトウ抜き

 

レギュレーションGで一番強い一般枠。

ステルスロック+ムーンフォースの圧力で先に相手にテラスタルを切らせながら、黒バドレックスや炎オーガポンを通す展開を作るのが主な役割。

このような展開を考えたときに

「甘える」が「初手の積みの切り返し、数的有利を取るための殴り、起点回避かつ起点作り」

「挑発」は「グライオンのみがまもや状態異常、壁展開などの拒否を行いながら殴りと展開補助を行う」

と、ハバタクカミに当たり前に採用されている技であるが、これらは再現性の高い勝利をするために非常に有効である。

「置き土産」はレギュレーションG特有の「黒の嘶き、ニトロチャージ、草分け」などの殴りながら積む要素に有効である。また、自主退場なので、「甘えるや挑発に交代を合わせて、先制技やエナジーの速さで起点回避する」考え方を安定で破壊する。

今回の構築はスカーフ黒バドレックスが重いが、スカーフ黒バドレックスが予想出来る構築(クッションと合わせていたりするもの)に対しては、ノーマルテラスと合わせて案外安定した対戦を作れたのが良かった。

ポケモン対戦において、確率拒否や絡め手の拒否になる高い素早さは、最も信用していた要素であった。

炎オーガポン@竈の面 型破り→面影宿し

テラスタイプ:炎

意地167(92)-189(252)-105(4)-*-117(4)-150(156)

 

ツタ棍棒 草分け 身代わり 剣の舞

 

A-ガチ特化

ステルスロック+テラス草分けで195(156)-133(100)水ウーラオスを11/16で落とせる

ステルスロック+ツタ棍棒で199(252)-136(4)ザシアン確定

ステルスロック+草分け+ツタ棍棒で191(124)-116(124)までの黒バドレックス確定

+3テラスツタ棍棒がHB特化ムゲンダイナに53.4%~

S-+1で最速黒バドレックス抜き

HBD-余りで出来るだけ硬く

 

ツタ棍棒 草分け 身代わり 剣の舞

 

ガチ特化の最強火力の鬼。

構築経緯で述べたように、黒バドレックスが止まる要素に対して、誘い殺しをすることが出来る。今回の構築は黒バドレックス受けを採用していないため、メタモンの被選出率が非常に高かったが、そこに対して専用テラスタルの「テラスタルしたオーガポンをメタモンがコピー出来ない」という仕様を活かすことが出来た。

また、アタッカーとして見ても、剣の舞を積むことで半減でも止まらない火力になる上、積みへの抵抗として現環境で多い天然に対しても「型破り」で貫通することが出来る最強のポケモンだった。

「氷半減×Sが高い×身代わり」の要素はパオジアンに強いため、草分けと身代わりの相性が抜群である。その他、身代わりがあることでオーロンゲにかなり強くなったり、受けへの耐性を付けたり、テラスタル択の様子見を行うことが出来る。

霊獣ランドロス@気合いの襷 威嚇

テラスタイプ:悪

陽気195(244)-166(4)-111(4)-*-101(4)-157(252)

 

地均し 岩石封じ 挑発 ステルスロック

 

HBD-出来るだけ高く

S-最速(カイオーガ意識)

 

ステルスロックポケモン

気合いの襷により、安定したステルスロック展開を行うのが目標。相手の特別な要素を持たない積みに対して耐性になったり、テラスタルを必要としない行動保障になる「気合いの襷」は一番強いアイテムだと考えていた。

この枠は途中まで襷ディンルーを使っていたが、型や並びでの構築の一点読みにより、構築ごと強みが薄くなってしまっていたため、最終日に急遽ランドロスに変更。

威嚇があるので、パオジアンに怯まされても勝てる可能性を作りやすいのと、毒びしを挑発で拒否出来るのが強かった。

悪テラス×挑発は流行していた「サイコノイズ×吹き飛ばし」ルギアに滅法強い。

 

パオジアン@拘り鉢巻 災いの剣

テラスタイプ:悪

意地155-189(252)-114(108)-*-85-174(148)

 

氷柱落とし 嚙み砕く 聖なる剣 氷の礫

 

A-特化

聖なる剣が195(156)-133(100)水ウーラオスに98.9%の乱数二発

HB-224(148+)白バドレックスの+1テラバーストを最高乱数切り耐え

S-自分のハバタクカミ及び黒バドレックスと同じ

 

最強最悪の剣。

遅いポケモンに対して鉢巻の火力が刺さり、早いポケモンに対しては先制技が強いポケモン

サーフゴーは後出しのグライオンには勝てるが、対面のグライオンには叩き落とすを押されると択になることが容易に想像出来たので、今回はグライオンを一回以上流せる駒として採用。

これらの役割を遂行しやすいように拘り鉢巻を持たせた上で、Bに振ることで構築単位で重かった白バドレックスへの耐性を自然につけている。

オーガポン系統に悪テラス嚙み砕くが最強であることと、聖なる剣が格闘打点であり水ウーラオスの後出しを許さない黒バド受けへの一貫した打点になるのが強かった。聖なる剣は、サイコショックが通らない鋼悪に抜群を突くことが出来るため、自然と要塞ポケモンへの耐性を付けることが出来るのもシナジーとなっている。

自分が使うパオジアンは好きだが、パオジアン自体はSVを嚙み合いで勝ちやすい要因にしている最悪のポケモンだと思う。

 

悪テラス鉢巻嚙み砕くに受け側が耐性を持つためには、フェアリーテラスが必要で、そこにはサーフゴーのゴールドラッシュが通る。テラスタルの自由度は高いが、相手の様々なテラスタル変化に対応するためには、このような本質的な部分まで想定して構築を組むことが非常に重要であった。

サーフゴー@先制の爪 黄金の身体

テラスタイプ:飛行

図太い193(244)-58(個体値0)-161(252)-154(4)-112(4)-105(4)

 

ゴールドラッシュ サイコショック 悪巧み 自己再生

 

HB-4振りグライオン地震97.3%で2耐え

CDS-端数(Sはグライオンより下を取る必要がある)

 

最強特性ポケモン

レギュレーションG1,2シーズン目と比べて、火力の無い禁止伝説(ルギア、硬いムゲンダイナ)が増えたため、それらに滅法強い悪巧み型で採用。

毒びしとルギアそのものの両方に後出しじゃんけんが出来るため、ルギアがどのような取り巻きと組んでいても、かなり安定して勝つことが出来た。吹き飛ばし型はもちろんだが、黒バドレックスパオジアンハバタクカミでルギアにテラスタルを切らせることで、悪巧みサイコショックで瞑想型まで処理することが出来る。

飛行テラスは、地割れ無効なのはもちろんだが、テラスタルを切った後も毒びしが効かないのが強み。

先制の爪を持たせることで、高い確率でグライオンを打開することが出来、火力で縛れているSの早い相手にサーフゴーを切る際に、上から20%の一撃必殺を打つことが出来る。

サーフゴーは、低速の傲慢な戦法をテラスタルの嚙み合いを減らして咎めることが出来る、最高のポケモン。テラスタル×耐久がサーフゴー自身も含めてつまらない性能ではあるため、結論としてテラスタルは無い方が面白いと思っている。

 

 

最後に

ラスタルの型バレが致命的でもあるにもかかわらず、最終日付近の配信が無くならないのが上位を目指す上で本当に苦しかったですが、今までは対戦そのものの面白さでモチベーションが上回っていました。

今回S20は最終日は3ロム2060からはじめ、流れに乗れないままシーズンが終わってしまいました。確率の嚙み合いの悪さには何も感じないのですが、相手からまともに勝つ気が感じられないつまらない内容の試合が多く、その弱い確率引っ掛けに何回もレートを持ってかれ、そこの熱まで冷めてしまいました。

最後なので言ってしまうと、テラスタル環境での終盤配信にマッチングした場合は、「配信者と分かった瞬間に並びが見えないよう切断する(一瞬で切断すると、選出画面の前でエラーでこちらの負け判定になります)」または「構築の強さと型を見せないように、上手く型を隠して負けるor初手から適当に一撃必殺を押し付ける」のどちらかを徹底していました。正直これは自分の強さからの悩みでしかないので、大多数の人は理解出来ないと思いますし、終盤配信している人も全くもってその悪意を持ってやっているわけではないと思います。

ただ、現状の最終日ランクマッチを自分は好きになれないです。

構築を考えて試合をするという、ポケモン対戦を真剣にやること自体は本当に好きなので残念ですが、最終順位に拘るのはS20で区切りにして一旦休憩し、またやりたいと思えたら頑張ります。

 

ラスタル最悪のゲーム、もう、辞めれる、余裕で。