こんにちは!シーズンお疲れ様でした。
今回はS23で使用した構築を紹介します!
並びは↓です!
それでは構築を紹介します!
コンセプト
構築経緯
S22では取り組むことが出来る時間が少なかったこともあり、自身のプレイングの強さを最も反映させやすい渦カイリューから組み、その場しのぎでレートを上げたところで終了してしまった。渦カイリュー入りの構築としては完成度も高かったと思うが、そもそもこのルールの渦カイリュー自体はブリジュラスカイリューサーフゴーへの対応が簡単でないことを主な理由として、完全に環境に合っているわけではないことが分かっていたため、新しく構築を考えることにした。
まず、レギュHがどのような環境か考えると、トップのポケモン(ガチグマブリジュラスカイリューサーフゴー)の性能がずば抜けて高いことが分かった。そのため、勝率を最大にする方法は、「環境トップのポケモンを強く使い、自然と環境トップのポケモンとそのメタに対応する」ことと結論づけた。
しかし、これはそう簡単なことではないため、1ヶ月中に構築を形にさせるためには、構築を作る方法も理に適っていることが必要だと考えた。そこで、レギュAとレギュHの自分の感覚が比較的近いものがあるということに着目し、レギュHの環境トップの絶対的な殴り合い性能が高い要素を整理したところ、「レギュAに、ガチグマ・ブリジュラス・スケイルショットが追加された」という見方が出来ることに気づいた。
さらに、レギュAの上位記事や対戦動画を振り返ったところ、「崩し性能のあるカイリュー+サーフゴー@1でカイリュー+サーフゴー@1や有象無象に勝つ」という考え方が第1の結論であることを理解した。
これと前述したレギュHでの本質的な変化を照らし合わせたときに、
①ガチグマブリジュラスの反動技(ブラッドムーン、流星群、エレクトロビーム)に対して、マルチスケイル×アンコール+羽休めのカイリューが強く出れる
②ガチグマブリジュラスの補助技に対して、カイリューのアンコールとサーフゴーの黄金の身体(+拘りトリック)が非常に有効である
③ガチグマブリジュラスとSラインが明確に違うため、同速をしないで済む
の3点から、自分がカイリュー+サーフゴーを強く使うことが、パワーを出しながら噛み合いを回避することに繋がる最も自然な方法と考え、この2体を軸に使うことを確定させた。
また、絶対的に強いカイリュー+サーフゴーの様々な組み合わせを考えても、カイリューサーフゴーを上から崩してくるスケイルショットカイリューとCSブリジュラス(特に、エレクトロビーム)は、カイリューとサーフゴーの型を多少工夫するだけでは解答を出すのは難しいことが分かった。
つまり、ハーブブリジュラスとスケイルショットカイリューの両方に対応出来る要素を@1に組み込むことが重要であり、「ステルスロックがマルチスケイルと頑丈を潰すことが出来る」不変の事実から、ステルスロック+カイリューサーフゴーが、安定性・パワー・プレイの捲り性能を全て兼ね備えた最強の軸になり得るというのが、最終的な結論である。
今回は、その強い組み合わせを考えることで構築を完成させていった。
まず、ステルスロックを軸にするということは、ある程度数的不利を前提の構築になるため、初手に多く起こる対面をカイリューサーフゴーと合わせて解決することが必須である。
ステルスロック撒きのほとんどがガチグマに不利なので、ガチグマに強くする方法を考えたところ
①ステルスロック+眼鏡ゴールドラッシュ
②ガチグマに強いステルスロック撒きを採用する
の2択に絞ることが出来たが
このうちの②はミラーコートブリジュラスや風船キラフロルであり、カイリューサーフゴー軸としては汎用性を著しく損なう上に、欠伸月光ガチグマに戦いにくい。一方で①は、ダメージ計算をしているうちに、ガチグマブリジュラスカイリューに自然に強くなれることに気づき、①の方針に決めた。
眼鏡サーフゴーと相性が良い神速アンコールカイリューの場合、基本選出の最大素早さラインを最速ブリジュラス以上に高めたいと思ったこと、相手のステルスロック撒きへの強さを考慮して、ステルスロック撒きにはガブリアスを選定。
次に、カイリュー+サーフゴーでは、グライオン(特に挑発)を流す手段が少ないと思い、ガブリアスのステルスロック+撒菱と合わせて崩すことが出来る枠として、風船ブリジュラスを採用。
また、ガブリアス+カイリューを軸とした際に、テラスタルが2回使えないことから、氷技やドラゴン技を重ねて殴ってくるかつサーフゴーで戦いにくい相手が重かったので、セグレイブにテラス無しで強く出れるポケモンとして、襷マスカーニャを採用した。
最後に、ゴーストの一貫を切ることが出来、セグレイブ+鋼に設置技に依存せずに詰め切ることが出来る、瞑想持ちアカツキガチグマを採用。
構築が完成した。
個体紹介
ガブリアス@オボンの実 鮫肌
テラスタイプ:フェアリー
陽気209(204)-151(4)-125(76)-*-117(92)-152(132)
HB-特化カイリューのスケイルショット5発83.1%耐え
HD-特化ガチグマのテラスブラッドムーン75%耐え(199は最高乱数切り耐え)
S- 最速キラフロル抜き
最強の初手ポケモン。
ほとんどの試合で選出し、殴りながらステルスロックを撒く。
また、こちらのカイリューが動かしやすくなる要素として、初手のステルスロックポケモンに有利なポケモンを投げるというものがあるが
・ドラテブリジュラスに上からステロドラテが出来る
・襷キラフロルに地震ステロと入ることで、キラースピンの設置技除去を無効化して、数的有利を取ることが出来る。
・ステロドラテガブリアスミラーで、フェアリーテラスドラテが強い
と、環境に多いステルスロック撒きに有利を取りやすく、とても強かった。
強みはこれだけにとどまらず、現在の環境では「鮫肌」が、相手のマスカーニャに対する削りとして強い。マスカーニャの唯一の非接触技であるトリックフラワーはカイリューサーフゴーに通らないため、ガブリアス+カイリュー+サーフゴーと選出することで、ストレスフリーに処理することが出来た。
ここまで強みだけ書いたが、ガブリアスの難しい部分ももちろん存在する。具体的に
①ガチグマ
②初手拘りトリックマスカーニャ
③鉢巻ステラインファイトor氷テラバーストオオニューラ
④フェエリーor氷眼鏡ウルガモス
などが挙げられる。今回は、これらに対して、裏のカイリューサーフゴーと自然なサイクルを取りながら詰めれるようにすることで
①→ノーマルブラッドムーン耐えと眼鏡ゴールドラッシュとアンコールカイリュー(対欠伸or瞑想ガチグマ)
②→撒菱+フェアリー鮫肌で居座り続ける
③→サーフゴーバックの安定択を作る
④→サーフゴーバックの択を作る
⑤→神速アンコカイリューと眼鏡ゴールドラッシュ
というように、簡単に負けない構築作りを目指した。その結果、多くの試合で安定した行動で再現性のある勝利を重ねることが出来た。プールが狭い環境では、使用率の高いポケモンに対する勝率を高めることが重要だと再認識した。
撒菱は流しの価値を上げる技であり、サイクルを破壊するために採用した。このおかげで、使用率トップのポケモンを多く組み込んだ受け寄りのサイクル構築に対しても、基本選出で対応することが出来、選出択を無くすことが出来た。
テラスタイプは、ドラゴンミラーで切るのが強く、カイリューサーフゴーとの相性も良いフェアリー。
シルクガチグマに眼鏡サーフゴーが強いため、火力アップの無いテラスブラッドムーンに行動回数を確保することで、ガブリアス+サーフゴーでアタッカーガチグマを見ることが出来る。
カイリュー@食べ残し マルチスケイル
テラスタイプ:ノーマル
意地197(244)-169-133(140)-*-136(124)-100
神速 ドラゴンテール アンコール 羽休め
A-ステルスロック+テラス神速2発でH4セグレイブ89.3%
HB-テラスタル時、特化カイリューのスケイルショット9発を残飯1回込み88.5%耐え
ステルスロック残飯1回込み、特化カイリューの+1飛行テラバースト13/16耐え
HD-特化ガチグマのブラッドムーン98%で2耐え、DL調整
ガチグマのブラッドムーン、ハイパーボイスがずれる
臆病ブリジュラスのエレクトロビーム+等倍流星群53.9%耐え
+1ラスターカノンに羽の回復が間に合う(6〜23回復していく)
S-ミラーで下から安定してアンコール押せることを期待出来るライン
テラスタルの王。
レギュレーションHにおけるマルチスケイルカイリューは絶対的な強さが抜けているため、ステルスロック・トリプルアクセル・スケイルショットに耐性をつけることで、凄まじいパワーを発揮することが出来る。
今回は、設置技との相性の良さを考えて、詰め性能の高い神速+アンコール+羽休めで採用。アンコール+羽休めが相手から見えにくい詰ませになり、神速で安定した詰めを行えるのが強かった。
さらに、これまでの環境との違いから、調整と技構成を適応させた。
まず、一般的に地震が採用されているラストの技スペースに、ハバタクカミがいない環境ということに着目し、ドラゴンテールを採用。ステルスロック+ドラゴンテールを2枚目でも展開することで、「有利対面で相手が突っ込んできても、引いてきても無償で大きく削れる」「マルチスケイル×ドラゴンテールで積みを切り返す」と、崩しといなしの両面でとても有用であった。
また、調整について、ブリジュラスガチグマカイリューに対しては、神速の火力よりも相手から受けるダメージを減らすことの方が必要だ理にと思ったので、最低限の火力を確保して残りを全て耐久に振った。
これに加え、抜群が少なく神速の火力を上げられるノーマルテラスで採用し、羽のリーチを伸ばす+対面操作技に強くなる食べ残しを持たせることで、相手から見えにくい詰ませを行うことが出来るのが非常に強力であった。
サーフゴー@拘り眼鏡 黄金の身体
テラスタイプ:鋼
控えめ165(20)-58(個体値0)-116(4)-198(212)-117(44)-133(228)
ゴールドラッシュ シャドーボール パワージェム トリック
HD-Bより高く(DL意識)
臆病ブリジュラスの+1悪の波動確定耐え
臆病サーフゴーのシャドーボール14/16耐え
無振りガチグマの大地の力確定耐え
特化ガチグマのテラスブラッドムーン+真空波81.6%耐え
C-11n
H244D52ガチグマ(S22最終1位のシルクガチグマ)をゴールドラッシュで確定
無振りチョッキガチグマに、ガブリアスの地震+ゴールドラッシュが220〜
ステルスロック+シャドーボールがHD特化アーマーガアに66%の乱数2発
S-準速カイリュー抜き
最強特性ポケモン。
補助技をシャットアウトする性質が対応範囲を広げ、選出択を減らすことに繋がる。
拘り眼鏡×ゴールドラッシュが最強で、「有利対面から負荷をかける」というポケモンの基礎的な動きを実現することが出来る。これは、数的不利を取る代わりにステルスロックを撒いて、有利対面の2体目から試合を作ることを想定している本構築の根幹を支える要素であり、「命中安定・無効タイプ無し」により安定性も伴っているのがとても強かった。
また、ガブリアスカイリューのテラス前後と合わせて様々な技の一貫を切れるタイプ、詰めや崩しを柔軟に行えるトリックの存在から、プレイングの選択肢が広いことも大きな強みである。特に、特性やタイプで無効を無理矢理押し付けることで、不利展開をその1ターンの差で捲ることに役立ちやすい。
パワージェムは基本選出でウルガモスに抵抗出来るようにしたかったため採用したが、簡単にアンコールを予測出来るカイリューに対しては基本的に炎の舞を連打してくるため、活きる回数が少なかった。飛行カイリューに打てるのは時々強かった。
テラスタイプは、崩し性能を高めつつ、ガチグマカイリューサーフゴーに強くするために鋼。火力はもちろん、悪ゴースト抜群を消せるのが良い。
ブリジュラス@風船 持久力
テラスタイプ:飛行
臆病173(60)-99(個体値0)-151(4)-177(252)-87(12)-140(180)
ラスターカノン ボディプレス 流星群 吠える
HD-臆病ブリジュラスの流星群14/16耐え
C-ぶっぱ
S-準速セグレイブ抜き
見た目圧力+崩し枠。
ガブリアスのステルスロックを1点読みさせないために、ステルスロックの圧力が高いブリジュラスを採用した。
今回は、ステルスロック+撒菱と合わせて崩しの役割を担える、「吠える+3ウェポン」とした。これにより、
ラスターカノン→グライオン、フェアリーヘイラッシャ
流星群→ヘイラッシャ
と打点を持ちながら、吠えるで、グライオンの身代わり+守るを打開することが出来る。
メジャーな全ての受けポケモンを対面から崩すことか出来るため、流しが有効な行動になるステルスロック+撒菱と合わせて、かなり高い勝率を出すことが出来た。
ディンルーがいなくとも、ステルスロック+撒菱+毒耐性吠えるを分散させることで、「どんな選出順番で来ても崩しを出来るようにする」「攻めポケモンに対応する」の2点を満たす、S17の勝ち方を再現することが出来た。
ガチグマ@メンタルハーブ→アッキの実 心眼
テラスタイプ:水
控えめ220(252)-67(個体値0)-150(76)-172(12)-105(156)-74(12)
ブラッドムーン 真空波 瞑想 月の光
HB-特化カイリューの+1テラス神速確定2耐え
特化カイリューのスケイルショット10発97.2%耐え
陽気鉢巻マスカーニャのトリックフラワー13/16耐え(意地は4/16耐え)
HD-臆病ブリジュラスの+1流星群確定耐え
C-ブラッドムーン×2でH4カイリュー確定
ステルスロック+ブラッドムーン+真空波でH4カイリューを98.4%で落とす
撒菱+ブラッドムーン+真空波で無振りガブリアス78.5%
撒菱+ブラッドムーン+真空波で無振りブリジュラス95.7%
最強の熊。
ステルスロックを軸とする際の弱点として、「ステルスロックに構築を合わせているため、ステルスロックを撒かない場合の選出パワーが落ちる」というものがある。具体的に、ガブリアスを選出不可能かつカイリューを選出したいという場合に、「ただの打点としてのドラゴンテール」は崩し技にならない弱みが簡単に推測出来た。
そこで、カイリューを選出したい理由である「粘りながら詰める」という役割をステルスロックが無くとも担えるポケモンとして、アカツキガチグマを採用した。瞑想+高いB+月光により粘り性能が高く、瞑想+ブラッドムーン+真空波で殴りながらの破壊を行うことが出来る。設置技に性能を依存するドラテ神速カイリューの弱点を埋めるのは、単体性能の高い詰め駒であった。
しかし、今回の構築は設置技を軸としている関係上、カイリューを多く選出しており、選出率はあまり高くなかった。ただ、ガチグマの圧力は素晴らしいものがあるため、現状できつい構築に自然に強く出れる型にするのがベストだと思っている。
セグレイブ入りへの勝率を高くすることが出来たのは良かったと思う。
マスカーニャ@気合いの襷 変幻自在
テラスタイプ:悪
陽気151-162(252)-90-*-91(4)-192(252)
じゃれつく 不意打ち 挑発 毒菱
A-ぶっぱ
S- 最速
D-D>BのDL調整
自由自在ポケモン。
鉢巻・襷・スカーフの3つの型から、様々の技を高い素早さと火力で打てるのが強いポケモン。また、現環境の固有タイプが穴埋めとして便利で、具体的には、草がリククラゲに、悪がイエッサンに有効である。
型が多いが絶対的な性能が高くないポケモンは、有象無象に選出すると噛み合いになりやすいので、メタの形を取り一部の構築に選出することが大切だと考えている。
今回はセグレイブへの行動パターンを柔軟にするため、「じゃれつく+不意打ち+毒びし@襷」の型で採用。
対面のセグレイブをじゃれつく+不意打ちで処理、後発のセグレイブを毒びし+耐久で処理することが可能である。セグレイブ軸は、カイリューサーフゴーと合わされている場合が少ないため、ドラテカイリューや月光ガチグマと合わせて選出することで多くの試合で勝つことが出来た。
じゃれつくとけたぐりが選択だが、今回は相手のカイリューへの打点を意識してじゃれつくを採用した。最後の枠には、天然のようなストッパー手段を持たないため、またドーブルバトンのような吠えるもドラテもアンコールも有効でない展開構築のメタとして、挑発を採用した。
汎用性を落とす形になってしまったが、軸の性能の高さが抜けていたので、構築としては悪くない形だったとは思う。
要点
ガブリアス+カイリュー+サーフゴー
絶対的な強さを持つカイリューサーフゴーと、2体をレギュレーションHに適応させるステルスロックガブリアスの組み合わせが、崩し・殴り・詰めを全て行うことが出来る、理論上最強の並びであった。
環境トップによる誘殺
レギュレーションHでは環境トップのポケモンにまともに抗うことが出来る方法が少ないため、それらに対して、気持ち良く出させながらの誘い殺しを遂行することで、幅広い並びに勝率を高めることが出来る。
選出
セグレイブ入り→マスカーニャ@2(ガチグマ多め)
ドーブル入り→マスカーニャ@2(ドラゴンテールポケモンとサーフゴーを出したい)
重いポケモン
フェアリーテラスウルガモス
流し技のドラゴンテールが無効化されてしまう。眼鏡サーフゴーのパワージェムとゴールドラッシュでテラス前後に抜群をつくことで対処しようとしていたが、アンコールカイリューに非接触がないことも相まって、「フェアリー蝶舞→炎の舞連打」という動きが厳しい。TODで強引に勝利を狙うことしか出来ない場面が多かった。
トリックor悪巧みサーフゴー
カイリューのアンコールが通らず打点が無いことから、裏からくるこれらのサーフゴーに嚙み合いを回避して処理するのが難しいことがあった。ただ、カイリューサーフゴーの組み合わせで戦われることはそこまで多くなかったため、それが原因で負けることはそこまで多くなかった。
展開クエスパトラ
ドラゴンテールを重ねることは確かに展開構築に有効であるが、このドラゴンテール環境ではフェアリーテラスを上手く使うことが一般的である。それだけなら、アンコール+ゴールドラッシュで流すことが可能だが、ドラゴンテール・アンコール・ゴールドラッシュに対して、フェアリーテラス・アシストパワーorルミナコリジョン・バトンタッチでそれぞれ裏目をつける要素を含むクエスパトラに対しては、嚙み合いを回避出来ない試合が少なからず存在していた。
結果
TNスカーレット 最終9位-2165 119-56
TNバイオレット 最終39位-2108 102-46
最終日対戦動画